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遠藤 知弘*; 野口 晃広*; 山本 章夫*; 多田 健一
Transactions of the American Nuclear Society, 124(1), p.184 - 187, 2021/06
本研究では、水のみといった非増倍体系においてもアルファ固有値の感度解析が実施可能であることを確認した。本研究では、核データ処理コードFRENDYを用いて水の熱中性子散乱則データを処理し、多群断面積を作成した。利用した評価済み核データライブラリはENDF/B-VII.1, -VIII.0, JENDL-4.0, -5a4で、アルファ固有値とその不確かさについてライブラリ間の違いを調べた。アルファ固有値に対する核データ起因の不確かさに関する予備的な結果として、計算で求めたアルファ固有値と実験で測定したアルファ固有値の差異が小さいことが分かった。また、更なる検証のためには、水の熱中性子散乱の核データの不確かさに起因するアルファ固有値の不確かさや実験バイアスについて再考する必要があることが分かった。
桜井 淳; 山本 俊弘; 荒川 拓也*; 内藤 俶孝
Journal of Nuclear Science and Technology, 34(6), p.544 - 550, 1997/06
被引用回数:2 パーセンタイル:23.04(Nuclear Science & Technology)転水減速・反射、低濃縮UO燃料格子炉心での未臨界実験に「計算誤差間接推定法」を適用して未臨界度を推定した。即発中性子減衰定数と空間減衰定数の二つの測定可能な量をMCNP 4AとJENDL-3.2を用いて計算し、その誤差から「計算誤差間接推定法」により反応度とのバイアスを求めた。空間減衰定数の計算値と測定値との差は、実験値の誤差とほぼ同等であった。これにより、MCNP 4AおよびJENDL-3.2を用いた未臨界推定精度は、指数実験で達成可能な精度の範囲内であると言える。一方、計算および測定で求めた即発中性子減衰定数の差から、計算で求めた反応度のバイアスは有意な値が得られた。このバイアス値より計算で求めた実効増倍率に対して補正を行い、未臨界度を推定した。
山本 俊弘; 桜井 淳; 内藤 俶孝; 荒川 拓也*
Proc. of Topical Meeting on Criticality Safety Challenges in the Next Decade, 0, p.365 - 370, 1997/00
計算によって求まるkのバイアスを求めるべく、計算誤差間接推定法を提案してきた。この手法は、測定可能な物理量の計算誤差から反応度のバイアスといった測定できない量を推定しようというものである。ここでは、バイアスを推定する量として即発中性子減衰定数を選んだ。MCNPを使って、即発中性子減衰定数をパルス中性子法とFeynman-法とから求めた。Feynman-法のシミュレーションを行うためMCNPに対して修正を行った。両者の手法とも特に未臨界度の大きい体系に対しては高次モードの除去が必要となる。パルス法のシミュレーションの方がFeynman-法のそれよりも良い手法であることが判明した。
岩元 大樹; 西原 健司; 八木 貴宏*; Pyeon, C. H.*
no journal, ,
加速器駆動システム(ADS)における未臨界度のオンライン測定手法の開発を目的に、「リアルタイム未臨界度測定システム」を開発した。これは複数のマルチチャンネルスケーラー(MCS)とMCSからの信号を制御・解析するプログラムから構成され、特定の短い時間間隔で未臨界度をリアルタイムに出力することができる。このシステムの検証を行うために、京都大学臨界集合体実験装置(KUCA) A架台においてパルス中性子源法(PNS法)による未臨界度測定実験を行なった。中性子源にはFFAG加速器からの100MeV陽子と固体鉛ビスマスターゲットによる核破砕中性子を用いた。実験の結果、本システムが未臨界度をリアルタイムに出力できることを確認した。さらに実験後のオフライン解析の結果、本システムのアルゴリズムに、ポアソン分布に基づく最尤推定法を組み込むことによって、未臨界度の深い体系で観測された検出器間のばらつきや時間的な揺らぎを小さく抑えられることがわかった。これらの結果により、幅広い未臨界体系(0.931.00)における精度の高いオンライン測定に向けた見通しを得た。
方野 量太; 辻本 和文
no journal, ,
加速器駆動システム(ADS)等の未臨界体系の未臨界度測定手法として、未臨界度と相関のある即発中性子減衰定数(以下、とする)を、複数の中性子検出器の測定結果を用いて推定する手法を考案した。従来法では、は未臨界体系にパルス中性子打ち込んだ後の中性子計数率の時間変化を単一の指数関数でフィッティングすることにより推定される。実際には、パルス入射直後の中性子計数率の時間変化は多数の高次モード成分を含んでいるため、高次モード成分が十分時間的減衰をした後にフィッティングを行う必要がある。しかし、高次モードの影響を強く受ける検出器位置では、高次モードの時間的減衰が期待できない場合があり、の測定結果に検出器の位置に応じて高次モード由来のばらつきが生じる。提案手法は、複数の検出器で得られた中性子計数率の時間変化を線形結合させることで、時間的減衰によらず高次モードの影響を低減させる。提案手法により、検出器の位置に対してより頑健な即発中性子減衰定数の測定が可能となり、従来法より高精度な測定が見込まれる。
山口 響*; 遠藤 知弘*; 山本 章夫*; 多田 健一
no journal, ,
非増倍体系における固有値の数値解は逆べき乗法による反復計算により求めることができるが、多くの反復回数が必要となる。そこで本研究では、データ駆動型アルゴリズムである動的モード分解(DMD)による収束加速法を適用した固有値計算コードを作成し、その有効性について検証した。
方野 量太
no journal, ,
パルス中性子実験によって未臨界度が精度よく求まる条件について考察するため、核分裂によって生じた中性子が次の核分裂を起こすまでを1世代とした時、検出器で観測される中性子の平均世代数と時間との関係を調べた。精度良い未臨界度測定のためには、平均世代が時間との間に線形性があることが重要である可能性を見出した。
原田 善成*; 山口 響*; 遠藤 知弘*; 山本 章夫*; 多田 健一
no journal, ,
核計算における軽水の熱中性子散乱則(TSL)データ起因の不確かさを低減するために、水槽体系の即発中性子減衰定数を用いたデータ同化を実施した。決定論的サンプリング法に基づくバイアス因子法を利用することで、核特性間に軽水のTSLデータを介した強い相関がある場合には、軽水のTSLデータに起因した実効増倍率の不確かさを低減できることを明らかにした。